けん玉オヤジじゃ。さて、前回までは土壌病虫害の被害や感染経路について学んできたが、今回はそれらについてどのような対策が考えられるのか。その辺を学んでゆくぞい。

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土壌病虫害の改善

作付け体系を改善する

具体的には輪作をすることが考えられるのぉ。
輪作体系の実施は、連作による土壌微生物相の単純化や病原力の強化を防ぎ、病原菌密度の低下を図る効果がある。

しかしじゃ。
病原菌の中には休眠胞子等で長期間生存するものや宿主範囲の広い菌(色々な植物に寄生する)も存在するし、センチュウも同様に宿主範囲がの広いものが多い。
従ってじゃ。輪作体系のみで土壌病害、センチュウ害を抑止することは難しいわけじゃ。

一般に輪作による発病軽減効果は、病原菌密度が低い方が効果を期待できるから、病気の汚染が進む前に輪作に踏み切る必要がある。

輪作は土壌中から病原菌を完全に除去するものではなく、病原菌の密度を低いレベルに維持していくというのが基本的な考え方じゃ。

輪作の効果としては病原菌密度の低下だけではなく、同一作物を連作した場合に養分が蓄積がちになるのを防ぎ、養分過剰や養分バランスの崩れによる生育障害を起こしにくくするということもある。

こうしたことで作物が健全に生育し、土壌病害やセンチュウ害に罹りにくくするというわけじゃ。



輪作体系に組み込むと良い作物

一般に異なった科の作物を組み合わせるのが良いと言われておるが、先述した通り病原菌やセンチュウの種類によっては 宿主範囲 の広いものもあるので被害を受けにくい作物を選択した方が良い。
こうしたことから、対抗作物のものもあるイネ科を組み込むとよい。

対抗作物とは、それを栽培することによって土壌中の有害なセンチュウ類を顕著に減少させる作用を持つ作物のことを言うんじゃ。

例えば下の表のようなものが、一般的じゃ。

対抗作物名 有効なセンチュウ
マリーゴールド キク ネグサレセンチュウ
クロタラリア マメ ネコブセンチュウ、ネコブセンチュウ、シストセンチュウ
ギニアグラス イネ ネコブセンチュウ
ソルガム イネ ネコブセンチュウ
エンバク イネ ネグサレセンチュウ

導入に当たっては、対抗作物の品種によって効果が異なるので品種の選定が重要になるぞい。

因みにじゃが、対抗作物はただ栽培すれば良いというものではない。
重要となのは栽培期間で、例えばマリーゴールドの場合は少なくとも2か月〜3か月程度の作付けをする必要があるんじゃ。

土壌管理と施肥管理

土壌化学性と土壌病害の発生については、特にPHとの関連が深い。例えば、糸状菌による病気は、PHが酸性で多発し、アルカリ性で少なくなる傾向にある。
ただし、ワシ個人的な見解としてはPHの極端な矯正は作物の生育や、養分の吸収にも関わってくるので家庭菜園では必要ないと思うておる。
大体の作物はPH6.0~6.5の弱酸性を好むからそれを覚えておけば良いじゃろう。
PH測定器は手ごろに買えるものもあるから購入しておくとよいぞ。

肥料養分の影響

肥料養分の過不足は土壌中発生に影響がある。
一例じゃがその関係性について表にしておくぞい。

養 分 土壌病害への影響
窒 素 窒素過剰により作物体が軟弱に育ち、病害虫の被害を受けやすくなる。特に過剰になると病害抵抗性に関与するフェノール化合物が減少し、リグニン含有率も低下する。
リン酸 多くの土壌病害について、リン酸過剰は発病を助長する傾向があるとされる。
カルシウム 作物体中のカルシウム含有率が低下すると一般に病原菌に侵入されやすくなる。石灰施用で減少する病害は、キュウリ、スイカのつる割病、トマト、ゴボウの萎凋病などがある。
マンガン 作物体のリグニンの生合成に必要な微量要素で、マンガンが不足すると土壌病害に罹りやすくなる。

※リグニン:植物細胞壁を構成する主要成分

有機物の施用

堆肥をはじめとして、良質な有機物の施用は一般的に根圏の微生物多様性をもたらし、土壌病害を抑止する効果があるが、有機物の種類によっては助長される場合もあるんじゃ。
生の畜産廃棄物は論外と思っていて良いじゃろう。
発酵された良質な堆肥を使うことで効果がでるぞい。

カニ殻等のキチン質を含むものはキャベツの萎黄病の抑制効果がある。
多くの土壌病害は糸状菌によって起きるが、糸状菌の細胞壁の主な成分がキチン質じゃ。
これらを多く含む資材を土壌に施用すると、それを分解する微生物が生成するキチン分解酵素によって糸状菌の細胞壁も分解して病原糸状菌の増殖を抑制すると言われておる。

土壌病害、センチュウ害抑制資材の使用

ネットで調べるなどすれば、土壌病害、センチュウ害の抑制に効果のある資材が市販されているのがわかる。
古くからある石灰窒素をはじめとして最近では微生物資材や機能性堆肥などが開発されてきておるんじゃ。
対象となる土壌病害、センチュウ害や作物の種類は限定されるが、環境負荷を与えにくい資材であり、単用のみではなく他の対策と併用してより効果を高める使い方もできるわけじゃ。
例えば石灰窒素は窒素肥料じゃが、国産石灰窒素はハクサイ、キャベツの根こぶ病や野菜類、豆類、イモ類のセンチュウに対して農薬登録もされておる。
この他、まだ適応作物や適応する土壌病害、センチュウ害は少ないが、それらに対応した微生物を活用した資材が開発され農薬登録されているおるんじゃ。

熱による土壌消毒

熱を利用する土壌消毒法としては、太陽熱土壌消毒、土壌還元消毒、蒸気土壌消毒、熱水土壌消毒などがある。
これらの方法は熱で病原菌、有害センチュウなどを死滅させるもので、残留性がなく、耐性菌が発生しない比較的環境にやさしいという特徴がある。
これらの土壌消毒法の中では太陽熱土壌消毒、土壌還元消毒が最も普及しておるんじゃ。

この両者の熱源は太陽熱じゃが、土壌を湛水することが重要で、土壌中の酸素が欠乏した条件では酸素を必要とする病原菌や有害センチュウが比較的低温で死滅する。また、水は熱の媒体として温度上昇と蓄熱に役立つわけじゃ。

太陽熱利用の欠点は高温が持続するのは夏場であり、期間が限られていることや、寒冷地では温度が上がりにくいことじゃ。

じゃが、土壌還元消毒であれば湛水とともに有機物を混入させ強い還元状態にすると、より低温でも病原菌などを死滅させることができるんじゃ。

これらの消毒法は化学合成農薬や蒸気消毒に比べると、マイルドな消毒法で、生物を全滅させるのではなく、有効菌もある程度生存するから、消毒後の病原菌の再汚染防止効果も高いことがわかっておる。

化学合成農薬の使用

この方法は太陽熱を利用した消毒とは逆で利用時期が制限されにくいメリットがある。
じゃが、土壌生物を全滅させてしまうから病原菌の再汚染のリスクが大きいんじゃ。
土壌消毒したことによりする前よりも被害が拡大した例もある。
家庭菜園で使用するということはほとんどないとじゃろうが、知識として覚えておくとよいかと思う。

まとめ

4回に渡って記してきたが、いかがだったかの?
土壌病虫害について原因と対策の基本的なところはわかっていただけたのではないかと思う。
総括すれば土壌微生物の多様性が重要ということじゃな。
これがわかっているのといないのでは天と地くらいの差があるぞい。
肥料や資材を購入するときもどういう目的で買うのか考えることもできる。
自分の畑への見方も変わってくる。
また畑が楽しくなるのぉ。

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