けん玉オヤジじゃ。
前回はマグネシウムとカルシウムの植物体内での主な働きを詳しく学んだが、今回は微量要素について学んでいくぞい。

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微量要素とは何か?

微量要素は作物にとってごくわずかしか必要としないが、作物体の構成元素、酵素の活性化因子として重要で、その過不足は作物の生育に影響を与える。

微量要素の欠乏は葉などに障害を起こすことはよく知られておるが、この他にも果樹では果実障害、着色不良の障害、花きでも花色不良の品質障害が起きるんじゃ。

微量要素の中では欠乏症や過剰症の発生割合が多く現地診断で問題になることが多いのはマンガンとホウ素じゃ。ホウ素は土壌中の適正含量の範囲が狭く過剰障害も起こりやすい。

微量要素は堆肥や有機質肥料にも含まれており、作物の要求量も少ないことから不足しないと見られておるが、実際には微量要素欠乏症がしばしば見られておるんじゃ。

欠乏症と過剰症の発生要因

微量要素の欠乏症や過剰症が発生する要因としては単に土壌中の存在量の問題よりもPHや養分バランスの崩れ、圃場の乾湿条件によるところが多い。
それでは発生要因を1つずつ見ていこうかの。

①PHのアルカリ化、酸性化

土壌のPHが7.0を超えてアルカリ性になると鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅は根から吸収されにくくなる。PHが5.0以下の強酸性になると、これらの溶解度が増し過剰障害が発生しやすくなるんじゃ。
モリブデンについては酸性土壌で溶解度を増す。マンガン、ホウ素などの欠乏症は、石灰質資材の投入し過ぎによりPHが高くなった場合に発生しやすぞい。

②養分バランスの崩れ

土壌中にリン酸が多いと鉄、亜鉛、マンガンを不可給態化させ、根から吸収されにくくする。また、カリウム、カルシウム過剰はホウ素の吸収を抑制してしまう。
微量要素間でも拮抗関係があり、鉄が多いとマンガンの吸収が抑えられる。逆もまた然りじゃ。
重金属元素によって鉄の吸収が抑制され、鉄欠乏によるクロロシス(白黄化)が発生することがあるぞい。

③土性と圃場の乾湿条件

砂質の土壌は粘土質の土壌に比較してホウ素、マンガン、亜鉛などの微量要素が溶脱しやすい。水田転作で砂質水田に大豆や野菜を栽培した場合に水稲とのホウ素要求量の相違から欠乏症が発生した例も見られておる。
特にホウ素は土壌吸着力が弱く、雨水により流亡しやすく欠乏しやすい。また、土壌が乾燥すると吸収されにくくなり、干ばつでハクサイ、ダイコンなどにホウ素欠乏が発生しやすいんじゃ。

ここからは現地診断で問題になることが多いマンガンとホウ素について見ていくとしようかの。

マンガンとは何か?

マンガンは葉緑体の形成や、ビタミン類の合成に関与しておる。
欠乏すると葉脈間黄化などのクロロシス症状を生じる。また、生体内で再移動しにくく、生長部位で常に必要とされる元素なので、上位葉に欠乏症が発生することが多いんじゃ。

欠乏症が発生しやすい条件

①PHのアルカリ化

石灰施用によりPHが6.5以上になると不可給態化し、根から吸われにくくなる。特に土壌が乾燥しているとこの変化が現れやすい。果樹に欠乏例が多く、野菜ではホウレンソウなどに多いんじゃ。

②養分の溶脱しやすい圃場

砂質土の水田では作土層のマンガンや鉄が流亡しやすい。これらが流亡した水田を老朽化田といい、こうした水田で作付けするとマンガンが欠乏しやすいんじゃ。

過剰症が発生しやすい条件

PHの酸性化

作物にマンガン過剰症が発生する要因として多いのは、PHの酸性化や土壌が排水不良で還元状態になったときが多い。
カンキツ類で酸性化の進んだ圃場でマンガン過剰による異常落葉の発生が問題となったことがあるんじゃ。

欠乏症、過剰症の改善

マンガンの欠乏症、過剰症の対策としてはPHを適正にしていくのが重要である。PHのアルカリ化が要因のときは、石灰を多く含む資材の施用を中止するとともに、硫安などの土壌を酸性化する肥料を用いることによりPHを下げる。
欠乏症のときはマンガン質肥料を施用すると良いぞ。

ホウ素とは何か?

ホウ素は作物体内において細胞壁の構造維持に必要な元素で、作物体内では再移動が困難な元素であるため、欠乏発生部位は生長している部位に見られる。
ホウ素が欠乏すると、細胞壁ができにくくなって、枝や根の先端、形成層、果実などの生長点で細胞分裂、組織の形成が進まなくなる。そのため、新葉の生育が停止したり根毛の細胞伸長が阻害される症状がでるものと、茎や果実組織に亀裂が入ったりコルク化する症状が現れるものがあるんじゃ。

ホウ素の過剰障害は、葉のクロロシス、落葉などの症状を示すが、目に見える症状がなくても生育が低下し減収することも多いぞい。

欠乏症が発生しやすい条件

①PHのアルカリ化

石灰PHが7.0以上とアルカリ化すると不可給態のホウ素が多くなり、根から吸収されにくくなり、欠乏しやすくなるんじゃ。

②圃場の乾燥

降雨が少なく高温、乾燥状態でホウ素は吸収されにくく、欠乏しやすくなるんじゃ。

③アブラナ科野菜の栽培

アブラナ科野菜など双子葉植物でホウ素の要求性が高い。ダイコン、キャベツ等毎年作付けすることが多いとホウ素欠乏が発生する例もあるんじゃ。

過剰症が発生しやすい条件

ホウ素入り肥料の過剰連用

ホウ素欠乏が解消した後もホウ素入り肥料を連用した場合に過剰害が発生しやすい。特に砂質または砂壌土で陽イオン交換容量(CEC)の小さい土壌において過剰障害が発生している例が見られておる。

※陽イオン交換容量(CEC)⇒ 人間の身体に例えると胃袋の大きさ、つまり養分を蓄えられる量

欠乏症、過剰症の改善

ホウ素の欠乏対策としてはマンガン同様PHを適正にしていくことが重要じゃ。また、ホウ素欠乏症の発生は水分不足と結びつくことが多いので、根張りを深くするとともに、土壌が乾燥し過ぎないように潅水することも重要じゃ。

ホウ素が欠乏した場合はホウ素質肥料を施用するとよい。また、過剰な場合はホウ素を含む資材施用を中止する。過剰発生している圃場の多くはホウ素を含む資材を多く施用することによって起きているからじゃ。

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