けん玉オヤジじゃ 。
土壌の微生物は多様性があることで、病原菌の活動も抑制できることは何度か記してきたが、では実際に菌はどのような働きをしているのか代表的なものを学んでいくぞい。

菌はどんな働きをしているのか?

発酵のスターターとなる菌たち

こうじ菌

こうじ菌(黄こうじ菌)はカビの仲間で、山の腐葉土にある土着菌の正体は、たいていこうじ菌じゃ。
真っ白な菌糸が毛みたいにふわふわ生えているので糸状菌とも呼ばれておる。

発酵スターターとも言われていて、ごはんやパン(炭水化物)を分解して糖にするのが得意。
納豆菌とか乳酸菌とか、あとから入ってくる微生物たちの活動エネルギーをつくっておる。

日本では昔から味噌や甘酒、日本酒づくりに使われてきたんじゃ。

※土着菌⇒土着菌という菌がいるわけではなく、その土地に定着した微生物の総称。

黒こうじ菌

泡盛や焼酎作りに使われる。クエン酸を出して雑菌を抑えるので、暑い地方でも酒づくりがうまくいく。

クモノスカビ

中国の紹興酒、韓国のマッコリなどに使われる

ケカビ

野山にごく普通にいる。低温に強く、極寒地の雪の下でも働く。

分解能力の高い菌たち

納豆菌

カビよりもずっと小さい細菌。名前の通り納豆づくりで働く菌じゃ。
ネバネバの消化酵素を出してタンパク質をアミノ酸にどんどん分解していくので「分解屋」とも呼ばれる。
稲わらの上でよく休んでいるから、昔の人はワラつとで納豆をつくったりしたんじゃ。

枯草菌

納豆菌の仲間で、共にバチルス菌と呼ばれたりする。納豆菌は田んぼが好きだが、枯草菌は多少乾燥に強ので畑のかやなどによくいるんじゃ。

放線菌

放線菌は土の中で細い菌糸を伸ばして活動しておる。糸状菌の菌糸の10分の1位の太さなので土中の細かい隙間に入り込める。硬い有機物も分解できる強力な酵素とネバネバ物質を出して、土を団粒化したり堆肥を分解する。抗生物質を出して病原菌を抑える力もあるんじゃ。

嫌気的(酸素の無い)な環境で活躍できる菌たち

乳酸菌

乳酸菌は糖を食べて増えるが、分解はあまり得意ではない。強酸性の乳酸や有機酸を出して雑菌を掃除するんじゃ。
条件的嫌気性細菌と呼ばれ、酸素はあってもなくても生きていける。酸性の好きな酵母菌と仲が良く、酵母菌がしっかり働けるよう、発酵の仕上げ舞台を整えるんじゃ。

光合成細菌

水の張った田んぼが大好き。酸素がなくてドブの臭いがするような、みんなの嫌がる場所に住んでいる。
イネの根に有害な硫化水素や有機酸を食べるので、田んぼのガスわき対策に使われたりするんじゃ。
光合成細菌の死骸は放線菌の大好物。

アミノ酸やビタミンなどを合成できる菌

酵母菌

発酵の最後の仕上げに登場する。他の微生物が分解して細かくした有機物をアミノ酸やビタミン、ミネラル、ホルモンといった栄養成分に合成する役割を引き受けている。
人が発酵食品を食べると健康になるのはそのためじゃ。
作物も発酵肥料で元気に育つ。
また、酸素がない状態では糖を分解してアルコールと二酸化炭素をつくる。
パンを膨らませたり、日本酒や焼酎、ビール、ウイスキーを醸造するのも酵母菌の働きしだいじゃ。

土着菌とは何か?

土壌中の菌(微生物)を細かく分類すれば数万種類以上になるという。その中で、その地域の環境に適した微生物たちが生き残って「フロラ(菌相)」をつくっておる。これが土着菌といわれるもので、非常に多様な微生物の総称じゃ。

土着菌はその環境に適していて、非常に多様で数も多いので強い。例えば、作物の病原菌が風に乗って入ってきても、土着菌がブロックしたり、拮抗作用で排除したりすることもあるわけじゃ。
多様な土壌微生物がいれば、畑に有機物をを入れた時もちゃんと分解され、作物により早く養分を供給することができる。また、土着菌の中には有機物を分解するだけではなく、作物の生育を促進する物質を作り出す種類の微生物もおる。

大事なのはやっぱり多様性

土着菌は土1gに約1億いるとされる。そして多様だから強いわけじゃ。
間違っても特定の微生物に過剰な期待をするのは禁物。
ちまたには様々な微生物資材があふれておるが、遺伝子レベルで調査したとある結果では、外部から投入した菌は多くの場合、土着菌に淘汰されてしまうことが知られておる。
土壌微生物のうち、役割のわかっているのはほんの数パーセント。
謎が多いだけについつい期待してしまいがちじゃが、スーパー微生物がいてそれが全てを解決するなんてことはないんじゃ。

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